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1st バイオリン「div.」(ディビジ)の意味が分からないレコーディング・エンジニアって…。

TAK隊長の制作仕事で最近特に多いのが「ストリングスアレンジ」であります。

 

現在のJ-Popの世界において…というか、

どんな国のポップスであろうと、

「ストリングスセクション」の入っていない音楽は

"無い"と言っても過言ではないでしょう〜。

 

 

この所ストリングスアレンジの案件が続いていまして、

様々な曲の制作をしているのですが、

先日納品した所、少々問題がありましてね…。

 

 

簡単に言ってしまうと「トラック数が多くてよぅわからん」という話なんです。

バランスの取り方がわからんって事なんでしょう。プロなのに…。

 

それはまぁTAK隊長の凝ったアレンジですから、

トラック数は確実に10は超えますからね(笑)。

 

レコーディング・エンジニアに

「弦楽器セクション」「オーケストラに関する知識」があれば、

ワタクシが提出したファイルの名前から

きちんと役割を読み取ってミックスしてくれると思うのですが、

なかなか難しいようで…。

 

 

メールの返信で

『バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスと分けてないと困る』

『バイオリンという名のファイルが沢山あって分からない』とか来ちゃってるんですが、

 

もしかして「Violin "div"(ディビジ)」の意味が分からなかったのかな〜?

 

 

 

TAK隊長の作るストリングスセクションのデータには法則があります!

これはどの案件でも同じです。


 

1.下地材となる「白玉(伸ばす音)ストリングス」音色。

 

シンセパッド的な使い方になりますが、

舞台セットの背景的な感じで、濃くしたい所は強めに。

静かなパートでも薄っすら置いておくと、

サウンドに広がりが出ます。

コントラバス音色とストリングス音色で4声のハーモニーを作ります。

 

 

 

2.主となるメロディを奏でる「1st バイオリン」

 

楽曲を聴く皆さんが一番「ストリングスが入っている」と感じる音です。

Aメロ・Bメロでトップノートを奏でます。←これがポイント!

 

 

 

3."1stバイオリン"とハモる「2nd バイオリン」

 

1st バイオリンの3度下・6度下に配置して、

弦のメロディ(トップノート)を支える役割をしております。

 

 

 

4.裏メロやハーモニーを担当する「ビオラ、チェロ」

 

曲にもよりますが、Aメロだったりバラードの1番全部etc.の

弦楽器主旋律を担当したり、ハーモニーのボトムを支える役割をしております。

 

 

 

5.ピチカート・トレモロ・グリッサンド(駆け上がり)等の「特殊奏法音色」

 

曲の盛り上げ・演出で大きな役割を果たすこれらの音色は、

メロディを担当している音色と混ぜてしまうと

ここぞ!という時に思うようなミックスが出来ません。

その為、メインの弦楽器とは分離しておく必要があります。

 

 

 

6.ここが肝心、サビを彩る・盛り上げる!

ストリングスセクションの"4番"1st バイオリン div. 

 

ストリングスアレンジは1st バイオリンのトラックが

一つあれば十分…なんて大間違い!!

1st バイオリンを2つに分ける事で、A・Bメロの

音量を安定させつつ、さらに上のメロディをサビで重ねる事が出来ます。

 

1.下地材となる

 「白玉(伸ばす音)ストリングス」音色。

バイオリン ビオラ チェロ コントラバス 4トラック

2.主となるメロディを奏でる

 「1st バイオリン」

バイオリン       1トラック

3."1stバイオリン"とハモる

 「2nd バイオリン」

バイオリン       1トラック

4.裏メロやハーモニーを担当する

 「ビオラ、チェロ」

  ビオラ チェロ   2トラック

5.ピチカート・トレモロ・グリッサンド

 (駆け上がり)等の「特殊奏法音色」

ピチカート トレモロ グリッサンド   3トラック

6.ここが肝心、サビを彩る・盛り上げる!

 ストリングスセクションの"4番"

 「1st バイオリン div. 

バイオリン       1トラック

これはあくまでもTAK隊長の制作セオリーですが、

この位の要素が合わさって、はじめて「ストリングスセクション」は出来上がるのです!

 

さらにホルンで中低音を支えたり裏メロで盛り上げたり、

ハープで彩りを添えて…なんて作り方をします。

 

 

生楽器のオーケストレーションとは違う、

レコーディング向けのアプローチですが、

やってみるとこれが一番調整がしやすいんですよ。

 

音量バランスも、リバーブ等空間系エフェクトでの奥行き感コントロールもね。

 

 

※ちなみに「自分で全ての楽器アレンジを担当する」案件の場合、

ミックスは当然TAK隊長自ら行っております、ハイ。

 


人それぞれ流儀・作法ってあると思うんです。

みんながみんな、上の表のような構成で作っている訳では無いですからね。

 

 

それだけに、制作した人間の意志が伝わりやすいような

楽器・ファイル名をつけたりしているのですが、

ハッキリ言って「div.」の意味が分からないような

レコーディング・エンジニアは問題だと思いますよ!

 

だいたい音で常に勝負している職業なのに、

聴いて分からないとは何事ですか?

 

今時の音楽に欠かせないストリングスセクションなのに、

まさか2mixじゃないと仕事出来ませ〜んなんて

言わないでしょうね?

 

 

悪いけど、作業するエンジニアが分かりやすい状態の音源って、

 

つまりは何もエディット出来ないって事ですよ!

 

ホントに分かってんのかなー…。

 

少しはオーケストレーションの勉強でもしたらイイじゃないかしら?

 

 

さぁ、このブログで敵を増やしてしまったぞ〜っと!!!

 

ショッパイエンジニア、出てこいや!!!!