来週からレッスンをスタートする大人の生徒さんは、
「ジャズピアノ」特にベース・ドラムスetc.とのアンサンブルで
どのような弾き方をすれば…というのがレッスンの主軸になる感じです。
今まで様々な生徒さんをレッスンしてきましたが、
クラシックピアノ出身の方にとって「コード」で弾くというのが
なかなか難しい…。
自分がヤマハ音楽院で練習室にこもっていた20数年前。
楽器店で教本を買い漁り、ひたすらボイシングを練習する日々でした。
当時良く練習していたのがブルース進行。
ポピュラー音楽の基礎であり、
ドミナント7thの押さえを効率よく覚えられます。
買ってきた教本ではよく使うキーしか書いていなかったので、
自分で12キー分譜面を作って(当時は手書き)練習していました。
”ハンコを押す”感じで、
コードネームを見た瞬間に確実に反応できるまで
ひたすら弾きましたね。
TAK-YAMADA M.Lab [エムラボ]教材 「Blues 進行 [基本パターン] 12keys」は
自分用だったテキストをレッスン用に改良したものです。
練習の手順です。
(サンプルの「key=C」を見つつ、読んでみて下さい)
[レベル1]
まずは譜面の2段目(ヘ音記号)を使います。
「C7」は左手でルート「低いド」・右手で「ミ・シb・レ」
「F7」は左手でルート「低いファ」・右手で「ミb・ラ・レ」
「G7」は左手でルート「低いソ」・右手で「ファ・シ・ミ」
この弾き方でまずは12小節ブルース進行で弾いてみます。
最初は全音符で。
慣れてきたらドラムマシンやメトロノームに
合わせて、リズムを刻んで弾くと良いでしょう。
次に、左手ルートを消して
右手の押さえのみで12小節弾いてみます。
ルートなしのサウンドに免疫を付けるためです。
とりあえずここまで進めば、
セッション等で困ることはないでしょう。
ここまでがレベル1。
[レベル2]
「C7」→「ミ・シb・レ」
「F7」→「ミb・ラ・レ」
「G7」→「ファ・シ・ミ」
この押さえが身体に浸透してきたら、
コードを弾く手を左手に変えます。
ルートはベースが担当してくれますので、
安心して左手で弾いてみて下さい。
「左手でコード弾き(ルートなし)」が出来れば、
空いた右手でメロディやアドリブソロを弾くことが出来ます。
ここまでがサンプル譜面の2段目(ヘ音記号)を使った練習法です。
難しかったでしょうか?
[レベル3]
左手で2段目のコードボイシングが出来るようになった方は、
「サンプル譜面・1段目」の活用に入っていきましょう。
右手でメロディやソロ、左手でバッキングを弾く場合でしたら
サンプル譜面・2段目のボイシング通りに出来れば問題ないのですが、
自分以外のパート(ヴォーカルや管楽器etc.)がメロディを担当する場合、
右手に新たな役割を与える必要があります。
つまり両手を使ったバッキングですね。
ここでイメージしてもらいたいのは、ビッグバンド編成。
ピアノの左手伴奏はトロンボーン。
通常はこれだけで良いのですが、
派手な音・盛り上がりを演出したい時に
トランペットのイメージで高音を足して弾いてみます。
「C7」→左「ミ・シb・レ」+右『ラ・レ・ソ』
「F7」→左「ミb・ラ・レ」+右『ソ・ド・ファ』
「G7」→左「ファ・シ・ミ」+右『ラ・レ・ソ』
譜面に書いてある弾き方の他にも方法はいろいろありますが、
スタイルはどうあれ、右手の押さえは完全4度が基本です。
練習の段取りは「レベル1」と同様。
全音符で始めて、慣れたらリズムを刻んで弾くと良いでしょう。
[レベル4]
左手バッキング・両手バッキングを使いこなせるようになってきたら、
視点を変えて「ベースパート」を体験してみましょう。
サンプル譜面の1番下の段。
ヘ音記号・4分音符で書かれているラインは「ウォーキングベース」と
呼ばれるベースラインです。
左手で書き譜通りに12小節を何度も繰り返し弾いてみましょう。
音符は4分音符ですが、スウィングのノリに聴こえる様に
「4分音符の2/3伸ばして、1/3手を離す」イメージで弾くと良いでしょう。
[レベル5]
左手でウォーキングベースを弾けるようになったら、
右手で譜面サンプル2段目のコードを重ねてみましょう。
最初は全音符。
慣れてきたら「ベースの4分音符とかぶらないタイミング」で弾いてみましょう。
かぶらないタイミングは1拍ウラ・2拍ウラ等の8分音符(スタッカート)。
4ビートの基本的なノリを左手に任せ、
良い頃合いで右手の合いの手が入ると、ベース単体よりもグルーヴしてきますね。
ベースとコードバッキング(=コンピング)を一人で弾くことで、
結果的にアンサンブルにおける「ピアノの役割」を意識できるようになってきます。
もちろん一人でウォーキングベースとコードを同時に弾く技術が身につけば、
ピアノのみでヴォーカルの伴奏→「歌伴」を弾く時に非常に役立ちます。
以上がこのテキストの基本的な使い方です。
いかがでしたでしょうか?
…で、ここまでの流れをクリアして「key=C」をマスターした方!
他のキーも練習したくなったでしょう?
「C」以外のキーにも対応できなくては困りますし…。
かといって、残り11キーに移調するのはちょっと…という皆さん。
この教材を買えば全てが解決です(笑)!
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